基本情報

今回の門前探訪は、川崎大師の門前町およびその界隈です。厄除弘法大師とも呼ばれ、初詣には、神奈川県はもとより関東一円から多くの参拝客が訪れます。

川崎大師の正式名称は、金剛山金乗院平間寺といい、真言宗智山派の大本山です。創建は、平安時代末期の大治3年(1128年)にさかのぼります。この川崎の地に、平間兼乗という武士が住んでおりました。尾張の国(愛知)の生まれでしたが、無実の罪により故郷を追われ、川崎に住み付き漁を生業としていました。ある夜、兼乗の夢枕に高僧が現れ、「我むかし唐に在りしころ、わが像を刻み、海上に放ちしことあり。以来未だ有縁の人を得ず。いま、汝速かに網し、これを供養し、功徳を諸人に及ぼさば、汝が災厄変じて福徳となり、諸願もまた満足すべし」と告げられました。お告げの通り、兼乗が網を打つと、海中より弘法大師の木像を引き揚げました。兼乗は、草庵を結び、供養しました。高野山の僧、尊賢上人が諸国遊化の途中、この兼乗のもとに立ち寄り、この尊像とそれにまつわる霊験を聞き、兼乗と力を合わせ建立したのが、川崎大師です。歴史あるお寺ですが、戦後再建されたものが多いため、堂宇は新しい印象を受けます。

特に、薬師堂はインド風の様式となっており、かなり異彩をはなっています。



大山門の南にある不動門は古めかしい印象をうけますが、これは戦後に福島から移されたもので、大山門が建立されるまで山門として建っていました。門の内側には、大きな草鞋が奉納されています。

また、境内には、様々な石碑が立てられています。私が気になったのは、施茶翁塚です。茶道で使う茶筅などを供養するものですが、瓢箪の形をしています。
基本情報まとめ
正式名称:金剛山金乗院平間寺
通称:川崎大師
宗派:真言宗智山派
住所:神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
最寄駅:京急大師線川崎大師駅
表参道

それでは、門前町を見て行きましょう。川崎大師の最寄り駅は、京急線の川崎大師駅です。駅の南口を出て横断歩道を渡ると、表参道厄除門と書かれた門が見えてきます。表参道も駅に近い側は、定食屋、スーパー、個人の医院が並び、普通の商店街のような雰囲気です。

薬局前には、謎の乗り物に乗るさとこちゃんのライド。

思わず看板が傾くほどの熱烈歓迎をうけつつ進むと、お土産屋さんが増えてきます。

門前町にあるお土産屋さんって達磨とか招き猫が多いんですが、こちらのお店も例に漏れず達磨が並んでいますね。ただ、線香とかロウソク売ってるのでひょっとしたら仏具屋さんかもしれません。

饅頭屋と煎餅屋。門前町によくある厄除まんじゅうを売ってます。

川崎大師と言えば、久寿餅ですが、こちらの元祖住吉屋総本店、総本店と言いつつ2軒あります。どうやら、片方は久寿餅工場のようで、もう一方は飲食店になっているようです。

2つの総本店の間には、馬頭観音を祀るお堂があります。こういうお堂が見られるのが、門前町の良いところです。

しばらく行くと、またしても住吉という久寿餅屋が。総本店の方とは、関係ないようですが、屋号も商品もそっくりです。黄色い達磨と凛々しい狛犬が出迎えてくれるこちらの住吉のキャッチコピーは、幸せを呼ぶ黄色の包み。

達磨に対してストイックなお土産屋さん。(しかし、これは序章にすぎなかった…)

表参道には、明長寺というお寺があります。川崎大師の塔頭かと思いましたが、宗旨が天台宗で異なるため、関係ないようです。

普通のアパートですが、なんか階段が印象的だったので。

川崎大師入口と書かれた門をくぐって右に曲がると、仲見世が見えてきます。

曲がり角にある花屋さんと喫茶店。花屋の2階にある喫茶店だけに屋号が「フラワー」。
仲見世


大師仲見世と書かれた門をくぐると仲見世です。川崎大師の仲見世といえば、せき止め飴。トントンとリズムよく飴を切る音が特徴ですが、よく見ると、飴を切ってる人と音を出してる人は別だったりします。







飴よりも気になったのは、達磨率の高さ。右をみても左をみても達磨のお店、達磨のお店の隣も達磨のお店。達磨型の煎餅を売る店も。両側に達磨が続く光景が続き、軽いデジャヴに。

仲見世の終わり、大山門右側には、再び久寿餅屋の住吉が。
ごりやく通り

川崎大師駅に戻り今度は、ごりやく通りを見てみましょう。こちらは、門前町ではなく商店街ですが、せっかくなんで見ていきましょう。

ごりやく通り入口近くには、昔ながらの喫茶店城亜があります。コーヒーカップの看板が可愛らしいですね。

商店街にしては、お店がまばらなごりやく通り。

川崎大師に近いからか、和風な佇まいの燃料店。


お肉屋さんには、コロッケ茶屋の看板。ショーウィンドウには、コロッケの材料にされたのか、背中を半分えぐられた豚さんが。おまけに片方の豚には、招き猫が乗っています。お客さんを招いて、残りの部分もえぐらせようというのでしょうか。

コロッケ茶屋の先には、とんかつ茶屋が。揚げ物と茶屋というキーワードはあんまり合ってないような。

しばらく進むと、これまた懐かしい感じの喫茶店が。



喫茶店のはす向かいには、小料理屋か居酒屋か分かりませんが、何とも言えない雰囲気のお店が3軒連なってます。夜営業するのか廃業してしまったのか、入口周りがちょっと荒れてます。写真なのか絵なのか、謎の額縁。その下には、何かの集会でしょうか同じような柄の黒い猫が3匹。

鬼ではなくカラスへの注意を呼び掛けるクリーニング屋のももたろう。

ごりやく通りの端の方には、神明神社があります。川崎大師に比べ、参拝客もおらずひっそりとしています。川崎大師に参られた際は、ごりやく通りにも是非訪れてみてください。
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